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『美味しんぼ』で紹介された『山廃仕込み』製法で醸したお酒、『天狗舞』。
『山廃仕込み』といえば『天狗舞』と呼ばれるほど人気があるお酒です。
どんなお酒でしょうか?どんな銘柄があるでしょうか?
この記事では5銘柄を紹介し、どんな方にオススメできそうかをご提案すること、山廃仕込みに関連する記事の紹介もしたいと思います。
では最後までよろしくお願いいたします。
目次
『美味しんぼ』で紹介された『天狗舞』
『美味しんぼ』といえば人気グルメマンガ。私も一時期読みました。
「小学館」より出版の『ビックコミックススピリッツ』に連載され、1983年発刊の20号から2014年25号まで掲載され現在休載中。
食に対するリアリティあふれる描写が好評を得て、日本のグルメブームの火付け役にもなりました。
その『美味しんぼ』で取り上げられた『天狗舞』。
なぜ、『美味しんぼ』に掲載されたのか?
『天狗舞』以外にも「美味しんぼ」で色々な日本酒が取り上げられました。
『雪漫々』
『喜久酔』
『住吉』
他多数
それらの多くは蔵元に日本酒造りのポリシーがあって
・純米酒しか作らない
・熱燗のみのお酒しか作らない
・機械化の流れに流されず、手作業で行う
など個性を持った、ブレずに醸造を続ける蔵元であることが多いです。
「天狗舞」を醸す『車多酒造』。
評判のお酒です。
お酒の名前に付される『山廃仕込み』、醸造に手間暇がかかっても消費者に愛されるお酒を造ることに信念を持った蔵元だからではないですか。
でも何か発信力が弱い気がします。
多くの蔵元が近代的な設備でお酒を醸造する流れに逆らい、
『山廃仕込み』伝統製法にて醸造する蔵元(生酛造りで醸造する蔵元も含めて)は、蔵元総数の10%。
なぜ山廃仕込みにこだわるのか?
その蔵元のこだわりとかを聞きたいと思うのは私だけでしょうか?
天狗舞を醸す車多酒造のこだわり
そのこだわりとは
◉酒造りおいては人の五感や経験が機械に勝る
◉特に麹造りや酒母造りの工程は、麹かびや酵母菌など酒造りに必要な微生物へは絶えず目配りが大切
◉洗米・醪圧搾などお酒の品質に影響を与えない工程以外は手造り
◉高品質を保ち機械による手間を省くことはしない
昭和40年代に、蔵元七代当主と杜氏が完成させた天狗舞流の山廃仕込。伝統を守りつつ、細かな改良を重ねて現在の製法に至りました。
目指すお酒は
味わい豊かで切れの良い日本酒
天狗舞のお酒の色
山吹色のお酒
◉活性炭を極力使用しない(酒色を調整、つまり酒の色を透明にできる活性炭を使わない)
◉前工程である麹つくりで、麹菌を繁殖させて酒母を作る。搾ったばかりのお酒が黄色がかっているのは麹由来の色。
◉天狗舞は蔵で熟成させてから瓶詰します。
山吹色に色付いているのはそのため。
米本来の味わいを、「自然な日本酒の色」を守り続けたい車多酒造の願いです。
天狗舞とはどんなお酒
「天狗舞」が広く知られるきっかけとなったのは昭和50年代。「きょうかい14号酵母」として全国に頒布される「金沢酵母」を使い、ひときわ薫り高くエレガントな酒質が評判となった「天狗舞」はその後の吟醸酒ブームを引き起こしました。
華やかで洗練された吟醸酒と、「天狗舞」の濃醇で複雑な味わいの山廃仕込は真逆の酒質です。相反する2つのタイプの特徴を活かしながら醸造するところに、高い技術を持った能登流の酒造技術を垣間見ることができます。
『天狗舞 車多酒造』とは
天狗舞を醸す『車多酒造』は1823(文政6年)の創業。
今から200年前創業、石川県白山市に所在し「天狗舞」などの銘柄を醸造している老舗蔵元です。
霊峰・白山から湧き出る伏流水を仕込み水に地元で育った加賀平野で育った良質な酒米を使用して造る酒は、「山廃仕込み」製法にて醸造します。
現在車多酒造は多くのお酒を山廃仕込(山卸し廃止酒母)で醸しますが、山廃仕込を取り入れたのは1960年代。加賀で採れた酒米、白山の伏流水を生かすなら山廃仕込みが最適であるとの確信により車多酒造流の山廃仕込を完成させました。
お米の旨味を十分に生かし、力強い酵母を育てるため、 あえて手間のかかる山廃酒母を採用しています。
『天狗舞 山廃仕込み』ラインナップ
山廃純米酒
【天狗舞 山廃純米酒】
《味わい、特徴》
❶濃厚な香味と酸味、旨味が詰まったコクがある純米酒。
❷熟成による自然な山吹色。活性炭使用せずお酒本来の色のまま
❸飲み頃は常温または熱燗。熱燗だと心地よい酸味を楽しめる。
《山廃純米酒スペック》
原料米 | 五百万石 |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | 協会9号 |
アルコール度 | 15.9% |
日本酒度 | +3 |
酸度 | 1.9 |
推奨保存温度 | 常温可 |
発売期間 | 通年 |
《山廃純米酒口コミレビュー》
⚫︎レビューを見て期待したがこれは普通の酒。
期待が大きかったワン
⚫︎甘ったるく、ちょっと重い感じが。少し癖がある。アッサリでもなければ濃くもない。
舌が肥えてますワン
⚫︎とても飲みやすくておいしい!お値段以上。
⚫︎手土産に喜ばれた。
⚫︎最初は甘く、ワインのような口触り。その後は日本酒の味が広がりとても美味しく飲めるお酒です。
⚫︎さっぱりとした薄味の和風の肴でお酒と肴の味を楽しむのがよい。
この人は肴は薄味をすすめているワン
⚫︎日々の家飲みで燗にして味わいを楽しむのにおすすめ。濃い味の肴のほうが絶対に合う。
この人は濃い味の魚をすすめてるワン
⚫︎白ワインのような、紹興酒のような味わい。
⚫︎クセのある香りと濃厚な味わいは好みが別れそう。余韻も長く楽しめる。燗しても楽しめるのではないか。
《口コミレビューを総括》
購入者の期待が大きすぎたのか評価が分かれるようです。味覚も十人十色。熱燗向きのお酒だと思います。
濃厚なコクと旨みのお酒ショップで確認するなら
山廃純米大吟醸
【天狗舞 純米大吟醸】
《味わい、特徴》
❶芳醇で上品な旨味。
❷熟成の程度を抑えた軽やかでさらりとした口当たり。お酒の色は山吹色。
❸米の旨味と甘味がゆっくりと広がる
❹旨味と強めに感じる酸がキリリとした後味と心地よいのど越しを生み出す
❺林檎のようなおだやかな吟醸香
❻食中酒として最適。濃厚な味の料理とも合う
❼きりっと冷やしてすっきり。常温で飲むとじんわり旨味
《山廃純米大吟醸スペック》
原料米 | 山田錦(兵庫産特A) |
精米歩合 | 45% |
使用酵母 | 協会9号 |
アルコール度 | 15-16% |
日本酒度 | +4 |
酸度 | 1.6 |
推奨保存温度 | 冷蔵推奨 |
発売期間 | 通年 |
《山廃純米大吟醸口コミレビュー》
⚫︎芳醇な香りと辛口なスッキリとしたのどごし
⚫︎フルーティー??好みの味。もう少しアルコール度数が高くても良い。
⚫︎冷やで甘く飲みやい。
⚫︎甘過ぎず、辛すぎず、とても飲みやすい。朝爽やかに起きられる。
⚫︎喉に引っかかる感じがする。他の大吟醸に慣れると飲みにくさも。
美味しくない?それともくちがこえている?
《口コミレビューを総括》
悪い口コミはあまりなくおおむね納得の味。
山廃純米大吟醸50
【天狗舞 純米大吟醸50】
《味わい、特徴》
❶口に含んだ時のスッキリ感。酸味と軽やかな旨味、心地良い喉ごし
❷熟成は抑えめ
❸洋ナシのような上品な香りと爽やかな甘み。
❹香りが良く色々な料理と合わやすい
❺常温でおいしく、冷やしてスッキリ。
《山廃純米大吟醸50スペック》
原料米 | 山田錦 |
精米歩合 | 50% |
使用酵母 | |
アルコール度 | 16% |
日本酒度 | +3 |
酸度 | 1.4 |
推奨保存温度 | 冷暗所(開栓後は冷蔵庫) |
発売期間 | 通年 |
《山廃純米大吟醸50口コミレビュー》
⚫︎少しフルーティで、あっさりした口当たりで美味しい。飽きが来ない、時々飲みたくなるお酒
⚫︎一口目は少し変な味、二口目から美味しい。とても澄んで、クリアな味
⚫︎贈答ように喜んでこんでもらえた。
《口コミレビューを総括》
天狗舞純米大吟醸をさらに飲みやすくした、万人受けを狙ったようなお酒です。悪い口コミはあまりみられません。スッキリ、クリアな味で酸味、旨味があり宅飲み用にも贈答用にも受け入れられやすいお酒です。
天狗舞 山廃純米ひやおろし
【天狗舞 山廃純米ひやおろし】
《味わい、特徴》
❶五百万石を60%精米した山廃純米酒。
❷夏の間、生詰めにして寝かせた秋の酒
❸深みのある旨味、酸味とコク
❹秋だけの限定酒
❺冷〜ぬる燗が推奨温度帯
《天狗舞 山廃純米ひやおろしスペック》
原料米 | 五百万石 |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | |
アルコール度 | 18% |
日本酒度 | +3 |
酸度 | 1.8 |
推奨保存温度 | 冷暗にて保存 |
発売期間 | 秋季限定 |
天狗舞 しぼりたて生酒 本醸造
【天狗舞 しぼりたて生酒本醸造】
《味わい、特徴》
❶酒になる前の発酵中の液体「醪(もろみ)」を搾っただけのお酒「しぼりたて」。
❷非加熱処理でお酒の中で酵母が生きている「生酒」。
❸「生酒」の目的は一般酒にはない新鮮な香りと味わい
❹この山廃仕込による生酒は香味が特徴。
❺冷やで飲むこと。
❻開封後は早く飲むこと。酵母か生きているゆえに時間が経つと味が変わります。
《しぼりたて生酒 本醸造スペック》
原料米 | 五百万石 |
精米歩合 | 65% |
使用酵母 | |
アルコール度 | 17.5度 |
日本酒度 | +6.0 |
酸度 | 1.8 |
推奨保存温度 | 要冷蔵 |
発売期間 | 11月~8月 |
こんな人にオススメ。天狗舞のお酒
5銘柄紹介しました。
①山廃仕込み特有の酸味、旨味を味わいたい
そんな方には『天狗舞 山廃仕込み』がオススメ
②サラリとした口当たりのりんごのような穏やかな吟醸香を楽しみたい
そんな方には『山廃純米大吟醸』『山廃純米大吟醸50』がオススメ
③酒本来の味、新鮮な生酒を味わいたい
そんな方には『山廃純米ひやおろし』『しぼりたて生酒本醸造』がオススメ
天狗舞総括
山廃仕込みといえば『天狗舞』というほど知名度があり、ブランド力がある。
蔵元としては醸造に対する方針を転換しない方がよい、保守的ではありますが、ブレない方が得策と考えてるのではないでしょうか?
この味を慕って買い求めてくる消費者を大切にしなければならない。
これが蔵元の心の内でしょう。
類似記事のご紹介
❶「天狗舞 山廃仕込み純米酒」の詳細紹介記事です。
❷「天狗舞」が好きな人ならこのお酒も好きなのではというお酒を紹介しております。
❸「山田錦」を使用して「山廃仕込み」にて造られたお酒
❹天狗舞は「五百万石」を原料米にしております。「山田錦」を使用しない「山廃仕込み」特集。
超辛口山廃純米7酒天狗舞、飛良泉、加賀鳶、末廣、雪の茅舎、手取川、久保田碧寿の紹介です。以下より。
まとめ
『天狗舞』のお酒を紹介してきました。
『美味しんぼ』にも掲載されたことがあって、『山廃仕込み』といえば『天狗舞』というほど親しまれたお酒です。
『山廃仕込み』に『生酛造り』を含めてもその伝統製法で醸造する蔵元は、蔵元総数の10%ほど。
先代先先代が築いた伝統を守り、ブランドとしての地位を確立しました。
その伝統にこだわったお酒、試してみてはいかがですか?
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「山廃仕込み」と言えばこれというほど山廃仕込みを代表するお酒を今すぐ試したいなら
サラリとした口当たりのりんごのような穏やかな吟醸香を楽しみたい、そんなあなたに
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